今回は、カート獲得の重要性を説明します。
購入時は意識しませんが、販売時はカートの取得を考える事が重要となります。
カートを取得するかどうかで月商に大きな違いが出ます。
カートとはなんなのか、どうすればカートの取得ができるのか、詳しく見ていきましょう。
カートとは?
まずはカートについて説明しましょう。
一言で言えば、カートとは出品者を選ばずに購入できる仕組みのことを言います。
まずは以下の商品ページを見てみましょう。
商品を買う場合、画面右の「カートに入れる」をクリックします。
その後は発送先と支払い方法を選択すれば、商品が届く仕組みです。
さて、ここで1つの疑問が湧いてきます。
それは、「いったい出品者をどこで選ぶのか?」というものです。
1つの商品に出品者が1人ということは珍しく、通常は複数人いるはずです。
しかし、実際には購入者が出品者を選ぶことはありません。
実は、Amazonが自動的に出品者を選んでいるのです。
ここで改めて商品ページを見ると、「カートに入れる」の下に
「この商品は、〇〇〇が販売、発送します」と記載されています。
本商品については、この出品者がAmazonに選ばれたというわけです。
後は購入者が「カートに入れる」をクリックすれば、この出品者の商品が購入されます。
以上のように、カートとは出品者を選ばずに購入できる仕組みのことを言うのです。
カート獲得とは?
Amazonに選ばれる出品者ですが、常に同じというわけではありません。
実は時間が経過すると、選ばれる出品者は変わっていくのです。
選ばれる条件は様々あり、出品者はカートに表示されるよう努力をしています。
このようにAmazonに選ばれ、カートに表示されることを「カート獲得」と言います。
また「カート獲得」が適用されるのは「新品商品」のみで「中古商品」は
「新品商品が売り切れている状態」にならならいと「カート獲得」は適用されません。
この「カート獲得」が本記事のメインテーマです。
なぜカート獲得が重要なのか
さて、出品者はカート獲得のために努力をしているとお話ししました。
なぜ、そんなことをするのでしょうか。
ずばり、カート獲得が商品を売るための必須条件だからです。
購入者は「カートに入れる」をクリックすることで商品を購入します。
つまり、出品者を選ぶことはありません。
となると、カート獲得をした出品者だけ商品が売れるのは当然だと言えます。
他の出品者から購入できる項目もありますが、ここから商品を購入する人はまずいません。
結果として、カートの取得は商品を売る必須条件となっています。
カート獲得率の確認方法
カートの取得回数は出品者アカウントの状況によって異なります。
多く取れる人もいれば、全く取れない人もいるでしょう。
これはAmazon側の立場になって考えるとわかりやすいのですが
お客様に沢山購入してもらいたいストア(アカウント)は
「AとB」どちらか?ということを考えてみましょう。
- A:「評価数1000件」「平均評価4.8」のストア(アカウント)
- B:「評価数10件」「平均評価2.5」のストア(アカウント)
もちろん、「A」の方が「カート獲得率が高い」設定となります。
そこで、まずはあなたのカート獲得率を調べてみましょう。
カート獲得率の確認方法
まずは全商品のカート獲得率の平均を確認しましょう。
①「セラーセントラル」の「レポート」を選択します
②「ビジネスレポート」をクリックします
そうすると「①ビジネスレポート」ページが表示されます。
②:「詳細ページ売上・トラフィック」をクリックします。
③:「おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の割合」で「カート獲得率」を確認できます
理想は50%、最低でも33%を1つの基準にして考えましょう。
この図で「カート獲得率」が「0%」なのは「中古商品」になります。
カート獲得の条件
ここからはカート獲得率を上げるための話をします。
カート獲得には大きく3つの条件があります。
- 価格
- FBA(prime商品)
- 出品者パフォーマンス
価格
カートに表示される出品者は、通常は最安値に合わせています。
お客様が気軽に購入できても価格が高ければ、問題がありますよね。
そのため、カートを取得したい場合は最安値に合わせるようにしましょう。
FBA
先ほどお話ししたように、通常は最安値の出品者がカートに表示されます。
しかし、例外もあります。
それがFBAかどうかです。
FBAとは「フルフィルメント by Amazon」の略称であり、
Amazon倉庫から購入者に発送する仕組みのことです。
Amazonでは「FBA」の他に「自己発送」もあります。
商品を販売するにあたって、出品者はFBAを利用するか自己発送をするかを選択します。
この違いがどう影響するのか。以下の2人の出品者をご覧ください。
一見すると上の出品者の価格が安いので、カートを取得できそうです。
しかし、実際は下の出品者がカートを取得しました。
下の出品者はFBAを利用しています。
それがカート獲得に有利となったのです。
基本的に、FBAは自己発送より10%-15%価格が高くてもカートの取得が可能です。
逆に言えば、それ以上の差があれば自己発送でもカートを取得できます。
とはいえ、最安値で勝てない以上、カート獲得にFBAは必須と言えるでしょう。
出品者パフォーマンス
価格とFBAは誰もが簡単に合わせられます。
そうなると差がなくなり、カート獲得率も平等になるのではと思うかもしれません。
しかし、実際には大きな開きがあります。
疎かにしがちな出品者パフォーマンスこそ、
カート獲得率に大きく貢献しています。
出品者パフォーマンスは以下の4項目からなります。
- カスタマーサービスのパフォーマンス
- 商品規約の遵守
- 出荷パフォーマンス
- 購入者からの評価
各評価はセラーセントラルの「パフォーマンス」から確認しましょう。
カスタマーサービスのパフォーマンス
過去60日間の商品不良による返品率の数字です。
これが高い程、質の低い商品を販売していると判断されます。
商品規約の順守
知的財産の侵害、商品の安全性、
真贋(偽物を売っていないか)などに関して
受けた苦情の件数を表示します。
ここはカート獲得というより、Amazonアカウントの凍結の方が重大でしょう。
特に気を付けなければならない項目です。
出荷パフォーマンス
迅速な配達をうたっているAmazonにとって、
出荷遅延はブランドに大きな傷をつけます。
そのため、出荷が遅い出品者は相応のペナルティを受けます。
もっともFBAを利用している場合はAmazonが発送を代行してくれます。
そのため、出荷パフォーマンスが悪くなることはまずありません。
購入者の評価
Amazonでは購入者が出品者の評価をすることがあります。
この評価が低い程、出品者の信用は低くなりカート獲得率に影響が出ます。
理想は肯定的な評価が全体の100%、悪くとも95%以上は維持したいところです。
カート獲得の豆知識
Amazonと競合した場合のカート獲得率
Amazonで販売しているとAmazon本体が参入してくることがあります。
この場合、カート獲得の条件全てを高水準で満たしていてもAmazonがほとんどカートを独占します。
本体の出品だから当然ではありますが、出品者としては不満が残りますよね。
ですが、全く取れないという事でもありません。
体感的に9:1の割合でカートを取得できます。
とはいえ、売れるのに時間がかかるのは間違いないので、気長に待つ必要はあります。
カートが表示されないこともある
Amazonでは必ずしもカートが表示されるわけではありません。
以下の商品を見てください。
カートが表示されていません。
購入者が本商品を買うためには「すべての出品を見る」をクリックして、自分で出品者を選ぶ必要があります。
これに関してはAmazonが定めるカート表示条件を満たしていないことが原因です。
今までの話はカート獲得条件でしたが、カート表示条件は異なります。
具体的な条件は非公開ですが、販売価格が極端に高い場合にカートは表示されません。
その場合、販売価格を下げるとカートは表示されます。
購入者が不当に高い商品を買わないための処置なのでしょう。
とはいえ、出品者は利益が高いほど良いので、
必ずしもカートを表示させる必要はありません。
他の出品者の数や資金具合から価格を調整しましょう。
まとめ
今回は、Amazonで販売するにあたって最も重要なカートの取得について話しました。
資金を効率よく運用するためには、仕入れてから如何に早く売り切るかが勝負です。
カート獲得率を上げるために、ぜひ取得条件を高水準で満たす運用を意識してください。