「物販は副業におすすめ」「初心者でも稼げる!」とよく聞きますが、「転売」「物販」「せどり」の違いを理解できていますか?
一見同じことのように思えるそれらには違いがあります。
この記事では、それぞれの違いをしっかり理解し、物販にチャレンジできるよう解説していきます。
物販とは何か?
物販・せどり・転売の意味の違いを知るために、まず、物販とはどのような意味なのかを理解しましょう。
物販とは「形のある商品や製品を販売するビジネス」を意味します。
例えば、水に濡らして振ると冷たくなるタオルを開発して、それを自社の店舗などで販売すれば、物販をしていることになります。
もちろん、オリジナルな商品でなくても物販として扱われます。
例えば、中国の卸サイトからノーブランドの生活雑貨や衣類を仕入れて、それを日本国内のAmazonなどで販売するような場合も物販です。
実店舗を持つかどうかは別として、ウェブサイトなど何らかの形で販売手段を自前で持っていることが多いのも物販の特徴です。
物販とせどりの違いは、メーカーや卸業者から商品を仕入れて販売するかしないかです。
せどりは小売業者・個人から小売業者・個人の転売の一種なので、この点が異なります。
せどりと転売の違いについては、いろいろな解釈がありますが、一般的にはせどりが古物・中古品を扱うのに対して、転売は新品を扱うことが多いといわれています。
また、せどりと転売では、個人・小売業者から仕入れた物品を、特に手を加えることなく、そのまま個人・小売業者に売り渡すことが共通しています。
せどりの意味を知ろう
せどりは本来、目利きができる人が価値のある物を探して安く仕入れて同業者に卸し、仲介手数料で稼ぐことを意味していました。
「せどり」という言葉の由来は諸説ありますが、「糶取り(せどり)」(米を売りに出すという意味)、「競り売り」などの江戸時代の言葉が元になったといわれています。
それが近代になり、特に古書業界でせどりという言葉が定着し、価値のある古本を同業者から買い付け、他の同業者に転売することを「せどり」というようになったといわれています。
店舗を持たず、同業の販売店が求める商品を仕入れて販売する中間業者をイメージすると、理解しやすいかもしれません。
つまり、値段が上がりそうな物を安く仕入れてプレミア価格で売り、その利ざやで稼ぐ物販ビジネスを営む人・業者ともいえます。
転売については次項で解説します。
転売の意味とは?
転売は、主に小売店から仕入れて直接、消費者に販売する物販の一種です。
せどりが古本や中古品などを扱うのに対し、転売は新品を扱うという区別をされる場合があります。
また、国内の小売店で仕入れて国内の消費者に販売する場合を「国内転売」、欧米など海外から商品を仕入れて国内で販売する場合を「輸入転売」といいます。
なお、「転売」と聞くと、あまりよいイメージを持たない人もいるかもしれません。
転売自体は法に違反するものではありません。
しかし、買い占めなどのやり方によっては悪いイメージをもたれてしまったり、法律や条例に違反してしまう場合もあるので、配慮をしながら取り組むとようにしましょう。
転売やせどりは悪い行為なの?
転売やせどりは悪い行為というわけではありません。
転売が悪いイメージを持たれてしまうのは、ごく一部の、マナーを守らない人たちが原因です。
例えば、過去には一部のグループによる商品の買い占めなどによって一般の消費者が商品を購入できなくなる事態が発生しました。
転売そのものには問題がなかったとしても、こうしたマナーを守らない人たちによって転売のイメージが悪くなってしまっているのです。
転売自体は昔からあるビジネスの手法の一つです。
厳密にいえば、良いと悪いで語るものではありません。
例えば、先ほどの例でも、商品を買い占めるのではなく、マナーを守ったうえで適切な価格で転売すれば、遠方に住んでいる人や列に並ぶ時間がない人などから喜ばれ、感謝されたでしょう。
このように、転売は取り組み方次第で良くも悪くもなるのです。
物販で儲けを得るためのポイント
物販ビジネスのポイントは、需要がある商品を仕入れて販売することに尽きます。
主なポイントは
- 人気商品を販売する
- 時期にあった商品を販売する
- 新品同様の中古品を販売する
の3つです。
人気商品を販売する
物販ビジネスは在庫を抱えないようにすることが大切です。
例えば、人気のブランド品やキャラクター物などはよく売れます。
こうした商品を扱えば、売れ残りのリスクを減らすことができます。
特に、世の中の誰でも知っているような知名度のある商品は、安定性が高めです。
例えば、ディズニー関連の商品は、商品自体を直接検索されなくても、検索ワードに入力されたキャラクター名などで商品が目に付く確率が高く、売れやすくなります。
時期にあった商品を販売する
より広い意味にすると、流行の商品を仕入れて販売するともいえます。
しかし、商品のトレンドは見極めるのが難しく、しかも、いつまで続くか予測がしづらいのが実情です。
そのため、まずは季節に合わせて商品を購入することから始めるほうが簡単です。
例えば、入学シーズンなら新生活に必要な家電や入学祝いのプレゼントなどを仕入れて販売すれば、売上げが伸びやすいといえます。
新品同様の中古品を販売する
オークションサイトでは、未使用、あるいは展示品などの商品はとても売れやすい傾向があります。
箱や備品などすべてが揃っていると、新品同様でしかも安いことから、購買意欲が刺激されやすいからです。
この新品同様の中古品を販売する時に重要になるのが、保証書の有無です。
保証書がないと、購入直前の段階でキャンセルされてしまうこともあり、後でクレームがくる可能性が高いので注意しましょう。
このようなポイントに沿って販売活動を続けていると、やがて売れ筋の商品が出てきます。
その場合、メーカーと直接交渉して卸してもらうことも検討しましょう。
商品数が多いなら、その分、安い値段で仕入れることも条件次第で可能です。
せどりで儲けを得るためのポイント
せどりで稼ぐには、最低でも資金を10万円以上用意したほうがよいとされています。
これは、せどりは物販より利益率が低いことが多く、10万円以下の資金では効率が悪くなるからです。
また、せどり専用のクレジットカードを用意しておきましょう。
オークションサイトではクレジットカードの登録が必須です。
資金を管理したり、確定申告をしたりする際にも専用カードがあると便利です。
せどりツールも活用しましょう。
いくらで仕入れていくらで売るか、これを決めるだけでも多くのオークションサイトを巡回し、妥当な価格を決める必要があります。
こうした機械的な調査はせどりツールに任せたほうが効率的です。
せどりツールを使えば、出品自体もワンクリックでできます。
利用料金もそれほど高額ではないので、作業時間や手間などを考えればお得です。
転売で儲けを得るためのポイント
転売で成功するには、取り扱う商品のジャンルを絞ることだといわれています。
特定の分野に詳しくなることで、需要の高い商品を見極めたり、人気があって入手困難の商品を見つけたりできます。
さらに、こうした商品がわかっても、仕入れができなければ意味がありません。
そのため、仕入れ先をリストアップしておき、目的の商品を確保しやすくしておくことが重要です。
商品と同じく、仕入れ先も絞り込み、商品数や在庫があるタイミングなどがわかるようになると、仕入れやすくなります。
薄利商品を積極的に販売して、数で儲けを上げる方法もあります。
こうした薄利商品の代表は、特定の日用品、スマホのケーブルなどの消耗品などです。
なぜ、こうした方法をとるかというと、固定客を獲得するためです。
すでに説明したように、転売で稼ぐためのコツは、特定のジャンルに特化することです。
ということは、特定の趣味・志向や用途を持った人たちを相手にビジネスをすることになります。
そのような人たちを常連客、リピーターにするためには、販売している商品リストを定期的にチェックしてもらうのが有効です。
そうすれば、入手困難な商品などが入荷したときに、購入してもらいやすくなります。
また、転売で限定商品や希少性だけを扱うのは安定性に欠けるので、この意味でも継続的な売り上げが見込める薄利商品を販売するのはおすすめです。
転売・せどり初心者におすすめの商品
いざ転売やせどりを始めようと思った時に、最初に悩むのが「どんな商品を仕入れるべきか」ということです。
転売やせどりで扱うことができる商品のジャンルはとても多く、そのなかから一つを選ぶのは簡単ではありません。
人気ブランドのスニーカー
スニーカーは通年需要がある商品であるため、安定して売れやすいという特徴があります。
さらに人気ブランドであれば、より回転率も高くなるでしょう。
ただし、ブランド品は偽物を販売してしまうと違法となってしまうため、入手先は厳選する必要があります。
ネットであまりにも安く販売されている新品は、偽物の可能性があることも覚えておきましょう。
未使用のスマートフォン
スマートフォンも常に需要のある商品であり、新品での購入はとても高額となっています。
なかにはさまざまな理由で、新品でスマートフォンを契約できないという人もいるでしょう。
そういった人などから需要があるため、スマートフォンも売れやすい商品です。
オークションに格安で出品されている商品
オークションは誰でも出品できるものが多く、商品の価値を十分に知らず、格安で出品されている場合があります。
こうした商品を入手できれば、適切な価格で再出品することが可能です。
格安で入手できれば、それだけ利益も出しやすくなるでしょう。
せどりは初心者でも始めやすい!
物販・転売・せどりのなかで、初心者が始めやすいといわれているのがせどりです。
例えば、自宅の不用品をオークションサイトに出品するだけでも、せどりのステップを経験できるので、取り掛かりやすいといえます。
また、安く仕入れて高く売るというシンプルなビジネスなので、アフィリエイトなどのように、成果や途中経過が見えにくいビジネスよりも簡単です。
仕入れる商品を選べば、季節に関係なく儲けが出やすいのもせどりの魅力です。
物販や転売となると、ある程度ジャンルを絞り込まなければ利益が出にくい面がありますが、せどりは仕入れ先や販売先との関係性が少ない分、幅広い商品を扱うことができます。
諦めずに継続することでスキルが身につくため、モチベーションが維持しやすいビジネスといえるのです。
せどりをする時の注意点
手軽に始められるせどりですが、注意点もあります。
例えば、Amazonには「出品制限」があります。Amazonでは特定のブランドの商品や、商品ジャンルをせどりで販売することはできません。
Amazonで規制される対象商品は随時変更されているので、新しいジャンルの商品にチャレンジする場合は、出品制限を必ず確認しましょう。
大きな失敗につながりかねないのが出品制限なので、仕入れる前にしっかりチェックすることが重要です。
中古商品の「縦積み」は危険
「縦積み」とは複数同じ商品を仕入れることです。
中古商品は新品、あるいは新製品との微妙なバランスの上に価格が決まっています。
つまり、状況次第で大きく需要が変わります。
常に需要が安定しているような商品なら問題ありませんが、基本的に中古商品の縦積みはNGと覚えておきましょう。
家電量販店から仕入れをする場合は、ライバルに注意
家電量販店では全店一斉値下げをすることがあり、それに伴って、他店でも値下げをすることがあります。
こうなると、同じ商品を扱うライバルが急増します。
なぜなら、せどりをしている人は皆、安く買って高く売ろうとしているからです。
大量に安く仕入れられたと思ったら、ある日を境にライバルが大勢出現し、売れ残りのリスクが急増する可能性があるのが量販店の安売りを狙った仕入れです。
転売・せどりに古物商許可証は必要?
古物商許可証がなければ転売やせどりができないことは、古物営業法によって定められています。
つまり、古物商許可証なしで転売やせどりを行った場合には違法となるわけです。
ただし、実際にはそこまで積極的に取り締まりをしているわけではありません。
古物商許可証なしで転売やせどりを行っていることが発覚しても、注意で終わることが多いとされています。
とはいっても、違法行為であることに違いはありません。
合法的に安全なビジネスをするためには、古物商許可証は必須です。
ちなみに、新品の商品を取り扱う場合でも古物商許可証が必要です。
新品未開封の商品でも、一度人の手に渡った商品は「古物」となることも覚えておきましょう。
古物商許可証を取得するためには、警察署での申請が必要です。
手続きの際に1万9000円が必要となりますが、試験などは一切ありません。
更新料などもかからないので、転売やせどりを始めようと思っているのであれば、最初に取得しておくと安心です。
転売やせどりを本業にするには?
転売やせどりは、まず副業で始める人が多くいます。
空いた時間に、無理のない範囲で仕事を進めることができるからです。
しかし、転売やせどりでの売り上げがアップしてくると、副業ではなく、本業にしたいと考える人も多くなります。
せどりを本業にするためには、ある程度の収入を維持できる見込みがなければいけません。
それでは、どれくらいの収入があれば、本業にできるのでしょうか?
転売やせどりを本業にするためには、基本的に現在の生活レベルをキープできる収入を得られるかどうかが判断基準となります。
現在の本業の収入と副業としての転売・せどりの収入を合わせた額以上を、稼ぎ続けられるかどうかです。
これだけ稼げる見込みがあるのならば、副業から本業へとステップアップしても問題ないでしょう。
転売やせどりの場合は、サラリーマンのように毎月固定で給料が支払われるわけではありません。
自分から行動しなければ、収入を得ることができない仕組みです。
その分、頑張れば頑張っただけ、収入を増やせることも覚えておきましょう。
新規参入するならせどりがおすすめ!
物販ビジネスと呼ばれるもののなかには、物販・転売・せどりがあります。
物販はメーカー・卸売業者からオリジナル商品を仕入れて販売します。
転売は限定品や希少性を仕入れて価格高騰を狙います。
せどりは販売価格の差によって利ざやを狙う、などが主な特徴です。
新規参入したいと考えているなら、継続的に働くことで儲けを得やすいせどりがおすすめです。